旅の記録~R11 Blog~ [2nd season]

タンチョウの撮影方法について

2016年最初の撮影はタンチョウの撮影でした。
久しぶりのタンチョウ撮影だったのと、SNSを本格的にやりだしてから初めてだったので、各所結構反響がありました。タンチョウ観たい、撮りたいという話もあがってきたので、タンチョウの撮影について、自分の方法を書きます。
いろいろな方法や意見があるとおもいますが、あくまでも私の方法ということでの紹介です。

1.撮影パターン

撮影パターンというか、タンチョウのどんな写真を撮るかということです。

「飛翔」
飛び立つ姿の撮影です。地面を蹴っていく姿がたくましいです。
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飛び立つタイミングですが、見ていると大体わかります。飛ばない場合は餌をついばんでいたりしているのですが、飛び立つ直前は動かず、飛び立つ方向をじっと見ています。そういうタンチョウを見つけたらカメラを向けて準備します。
あと、家族を呼び寄せる鳴き声があります。「クゥー」とちょっと短めの鳴き声です。
その鳴き声がしたらその方向をみて飛びそうなタンチョウを探します。

「飛来」
給餌場などに降りてくる場面の撮影です。
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飛行コースはほぼ決まっているので、その方向を観察していて、飛んで来たら構えることで撮影でできます。タンチョウはゆっくり飛んでくるので見えてからでも十分間に合います。
ただ、降りた位置の手前に別のタンチョウがいたりとか、なかなか難しいところもあります。

「飛行」
飛び立ったあとや飛来してくるときの飛行する姿の撮影です。
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それほど高いところは飛べないので、近い場所で撮影できたりします。
給餌場の近辺は頭の上を飛んでくる時もあるので、それがねらい目です。
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「ダンス」
タンチョウと言えば求愛ダンス
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他にも喧嘩のダンスや、じゃれあいのダンスなどいろいろあります。
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喧嘩のダンスは、縄張り意識が強いので結構頻繁にみることができます。

「鳴き」
仲間との連絡や、縄張りの主張など、いろいろな泣き方があります。
その中で、首を上に掲げて甲高い声で強くなく時があります。
この時、気温が低いとタンチョウのくちばしから白い息でます。
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この瞬間を撮るのもタンチョウの一つの撮影パターンです。
気温などの条件もあるのでなかなかむずかしいです。

「その他」
タンチョウはつがいでいることが多いので、二羽のタンチョウがいる場面を景色をいれて撮るのも味があっていいかと思います。
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2.撮影場所

タンチョウというと、釧路というイメージがあります。
まぁ、そう間違ってはいないのですが、細かくいうと、釧路市の隣の鶴居村にたくさんいます。
鶴居村にたくさんいるのは、村民の長年にわたる保護活動があったからです。
あと、阿寒町にもタンチョウ観察センターがあり、そちらでも多数見ることできます。
自分は鶴居村の雰囲気や景色がすきなので、基本的に鶴居村だけで撮影しています。

主な撮影場所としては以下の通り。
各場所の詳細については、こちらを参照下さい。

「鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ」
鶴居村で一番多くのタンチョウが集まる場所ですので、撮影は比較的容易です。
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自分の写真も大半はここでの撮影です。
ただ、タンチョウ多すぎるので、単独でとか、いい場面で前に入ったりとかするので、そのあたりが難しいかもしれません。
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飛来・飛翔、ダンス、鳴きなど、ひと通り撮影は可能ですが、飛来・飛翔はコースが撮影場所から奥のほうになるので、500mm以上のレンズがあったほうがいいです。
2010年に行ったときは結構手前から飛んでくれたんですけどね。

「鶴見台」
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鶴居村のメイン道路の道道53号線沿いにあるので、わかりやすい場所です。
観光バスも結構訪れます。背景に住宅があったりしますのでカメラマンはあまりいません。
ただ、ここは飛来・飛翔を撮るのに結構いい場所なんです。
観察場所から向かって右側が開けていて、タンチョウがその奥からまっすぐ降りてきますので狙いやすいです。
また、たまにですが、見学場所の上を飛んでくる時があります。
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晴れていれば、青空を飛ぶタンチョウを撮ることができます。
そして飛び立つときも、こちらに向かってくる場面も撮影できます。
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以外にいい場所なんですよ。

「音羽橋」
ここは、タンチョウの塒を望むことができるため、早朝の日の出前には橋の上にずらっとカメラマンが並びます。
ここでの撮影は、朝焼け、けあらし、霧氷の木々という極寒の中にいるタンチョウの景色を撮ることが目的になります。
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タンチョウの塒の場所までは結構な距離がありますので、タンチョウを大きく入れるためには、超望遠レンズが必要になってきます。
そして、早朝を暗いですから明るい大口径のレンズがあったほうが良くなるので、橋の上には大きなレンズを構えた人たちがたくさんいますので、ちょっと引いてしまうかもしれません。
早朝は―10度は普通です。-20以下にもなるときもあるので、カメラもそれなりに寒さ対策が必要です。

ここでは塒から飛び立つタンチョウも撮影できます。
背景が霧氷で白く染まった景色の中を飛ぶタンチョウの写真が一番いいですね。
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なかなか条件がそろわないと撮れないのでこの時は運がよかったかなとおもいます。
こちらは、超望遠よりも300mmくらいまでの望遠で手持ちで追いながらとることになるので、比較的機材としては撮りやすいかもしれません。
飛び立つのは、気温によって変わってきますが、8時から9時くらいに飛び出します。
いままでの感じだと9時台が一番多いような気がします。

ここは橋の真ん中を陣取るために夜中から場所散りしている人が多いですが、自分は真ん中より端側、向かって左側のほうが良いとおもいます。
この時期、日が上がってくるとと、真ん中より右側は真逆光になります。そうするとタンチョウは真っ黒になってしまいます。
そして、霧氷が付いた木々をバックに飛ぶタンチョウを撮るのは左側からのほうが良い絵になります。


3.撮影機材

カメラはすごくいいもの使わないといけないんじゃないかと思われている方多いかとおもいます。
作品として良い写真をとるためには良いカメラ・レンズが必要かもしれませんが、スナップ的に撮るのであれば、ある程度のカメラで撮影可能です。

自分が使っている機材ですが、今回はカメラは、CanonEOS5DmarkIIIとEOS7Dの二台体制でした。
レンズはタンチョウを撮影したのは以下の2つレンズです。
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SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM

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Canon EF70-300mm F4-5.6L IS USM

両レンズとも新品を10万ちょっとくらいで購入したレンズです。
10万のレンズってやっぱり高いよと思う人もいると思います。ただタンチョウを撮りに来ているカメラマンはレンズだけで100万円以上するようなものを使っている人が結構いますので、正直安い方です。自分はこれで数年やってます。
最初に撮りに来たときは、28-300という高倍率ズームを使いましたが、それでも結構撮れました。そのようなレンズだと数万円レベルで購入できますので、まずそれで撮ってみて物足りなければステップアップしていくということでいいかと思います。

カメラを2台使うのは、一つは三脚に固定して望遠で狙い、もう一つは手持ちで動きのあるタンチョウを狙うためです。主に音羽橋でそのようにしていました。
サンクチュアリとか給餌場では、シグマのレンズと7Dの組み合わせで手持ちで撮影でした。
50mmから500mmで手ぶれ補正ついているので、これ一本で十分撮影できます。

あと、連写ができるカメラがあるといいです。
動きの無いタンチョウを撮るのは問題ないですが、やはり動きのある場面を撮りたいとおもいますので、その場面を連写して撮影して一番いい場面を採用します。
腕があれば1点撮りもできるんでしょうが、動物相手で予想がつかないものなので、デジタルであれば連写して良い場面を選ぶというのは、間違った方法ではないです。

音羽橋以外であれば、ズームの大きい一眼ではないカメラでも撮影できると思います。
音羽橋はさすがに超望遠クラスが無いと難しいです。

機材については人それぞれだとおもいます。
ただ、わたしの使っているくらいの機材で、今回のような写真はとれるということは確かではあります。
自分が言うのもなんですが、限られた機材でいかに工夫してとるかというのも写真を撮る醍醐味ではないかとおもいます。

以上


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