旅の記録~R11 Blog~ [2nd season]

絞りを駆使して写真に効果を!

写真の撮影で重要な「露出」。
最近のカメラは、オートモードとかプログラムモードがあって、カメラにお任せということが多いと思います。
そうすれば、失敗は少ないとおもいますが、いざ撮ってみるとなんかイメージ違うんだよなと思うこともあるかと思います。
その解決には露出について知識を得ることです。
露出をコントロールすればイメージした写真をとることができるようになります。

露出自体の詳細な説明は省略しますが、簡単に言うと明るさの調整です。
調節のためには「シャッタースピード」と「絞り」を設定します。
実際は、感度設定、露出補正など他にもありますが、一番大きいのはこの2つです。

カメラが自動で行うのは、撮ろうとしている景色の明るさから、あらかじめプログラムされている設定から選択して撮影を行います。
ただ、明暗が激しい場合は、この設定が良い感じにならず、暗くなったり、明るくなったりすることがあります。

この2つの設定でシャッタースピードは大体の人はわかるかとおもいますが、もう一つの「絞り」ってなんとなくわかるけどというひとが多いかとおもいます。
簡単に言うと、絞りとは、レンズから画像素子(またはフィルム)に入ってくる光の調節のことです。
ということは、暗い時に絞りを開けて、明るい時に絞るのかと思いますが、単純にそうではないです。

絞りの変更でどういった効果があるかを例を交えて説明します。

1)ぼかしをコントロール

絞りを変えることでイメージが変わる例の一つとして、ぼかし具合があります。
次の2つの写真をみてください。
tech02_IMGL6213
(絞り F/13、シャッタースピード 1/125)

tech02_IMGL6214
(絞り F/4、シャッタースピード 1/320)

ほぼ同じ画角で同時間帯、同じカメラの同じレンズで撮ったものです。
初めの写真は、F/13と絞っています。後の写真はF/4と開けています。
奥にある並木のボケ具合が違うかとおもいます。
絞りを絞るとボケ具合が小さく、開けるとボケ具合が強くなります。
絞りを調節すると、ピントの合う範囲が変わるためこのような現象が起きます。
つまり、背景をぼかしたいなぁと思ったら開放で撮る。
風景写真で、パンフォーカス(全体的にピントを合わせること)をしたい場合は絞るという感じになります。

ここで、レンズの名前や性能にF値が書かれているとおもいます。
これは、このレンズが開放時(絞りを一番開いたとき)の光の入る量を表しています。

先日購入した、
TAMRON SP35mm f/1.8 Di VC USD
というレンズの場合、「f/1.8」という表記があります。
数値が小さいほど明るい(光がたくさん入る)レンズということで、このレンズは非常に明るいレンズということになります。(一般的に使われるレンズはf/3~f/6が多い)
このような明るいレンズはボケをだしたいときに有効で、このような写真をとることができます。
tech02_IMGL6866
この写真はf/1.8で撮影しています。
ピントは、手前のトナカイの額?のあたりに合わせていますが、そのトナカイの鼻くらいからもボケが出ています。
このレンズの特性としてやわらかいボケがでるので、後ろのサンタもボケていますが、何なのかははっきりしています。そのため奥行感がでているかとおもいます。

2)キラキラ感を出そう

12月のクリスマスシーズンなどは、イルミネーションの撮影も多いかとおもいます。
この時に、ライトなどから光線がでるキラキラした写真を撮ってみたいと思うことがあるかとおもいます。
クロスフィルターというものを使えばこういった効果を得ることができますが、絞りの調節でこの効果をだすことができます。
先ほどと同じように、同じ画角で同時間帯、同じカメラの同じレンズで撮ったもので比べてみます。

tech02_IMGL7084
(絞り F/1.8、シャッタースピード 1/4)

tech02_IMGL7085
(絞り F/13、シャッタースピード 30)

一つ目の写真は、光源が丸い感じで写っていますが、2つ目の写真は光の線が出ています。
絞りは何枚かの羽でできていますので、絞るとその羽の閉じ方によって丸い円ではなくなるためこういった効果をえることができるようになります。
その代わり、シャッタースピードがかなり異なります。開放時は何とか手持ちでも行けなくはないですが、絞った場合は三脚は必須です。
ですので、手持ちでしかとれないような場合は、クロスフィルターを使って、三脚を使えるような場合は絞って撮影というような分け方でもいいかもしれません。

他にもいろいろ効果をえることができますが、こういった面から「絞り優先」という、絞りは撮影者が決めて、シャッタースピードは絞りの設定からカメラが決めるという設定でとることが多いです。
自分は通常の日中の撮影はほぼ絞り優先です。
ちなみに、夜景時にはマニュアル、動体撮影はシャッタースピード優先という感じになります。

コンパクトカメラでも、絞り優先というモードがあるカメラも少なくないので、絞りを駆使してイメージ通りの写真をとってみてはどうでしょうか。

以上


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